ウクライナ戦争とリスクマネジメント 今後の世界平和を考える
日本シニア起業支援機構 代表理事 松井武久
(日本生涯現役推進協議会 会長 技術経営研究センター所長)
文責 西田和也
今回は初めてズームで講演会を開催した。講師の松井武久氏は、一般社団法人日本シニア起業支援機構(J-score)について最後に次のように説明した。
「実務経験豊富な産学官のシニアが、その智慧と経験と人脈を最大限活かして、「起業の早期発展」をメンターとして、社会に貢献することを目的に設立した組織。前身の日本工業技術振興協会(JITAS)の解決に伴い、志を共有する有志の協力を得て2015年10月の設立された。score(Seavice Corps of Retired Executives)は、米国の民間団体で50年以上のわたりボランティア精神に基づいて48州380以上の地域社会で活動を続けている。
日本では有志が10年来その必要性を説き、仲間を増やす活動を続けてきた。現在、起業家を5%前後の推移から10%に引き上げる施策が遂行されているが、これは現状より毎年10万件の起業家の増加を意味する。日本経済の着実な発展のためには起業させることが目的だはなく、起業家の発展軌道に育成することが目的となるべきである」。
その松井氏は講演でまず「ウクライナ戦争」について言及し「国連が機能していない。一番の問題は常任理事国5ヵ国の一国でも反対すれば議題に上げられず、これを変えていかねばならない」。「ウクライナとロシアの戦争で起きているのは、世界の穀物とエネルギーの2つで、大半の物資の高騰を招いている」と問題を指摘し、日本が取るべき道では「ODA(政府開発援助)」に着目。
「日本にはODAで発展途上国に対して相当な支援の実績がある。軍需の金をかけるべきでない」と強調。かつての日露戦争で、死者数が日本2万8800人に対してロシア4万3千人となり、軍事力に明け暮れるのは抑止力にならない、と指摘した。
さらに今後、戦争が起こらないことへの提案として、経済力や軍事で戦うのでなく今後のG7で言うべき。中国の「一帯一路」のインフラで勢力を伸ばしているが、二極を避けて第三極の立場を維持する。そのためには国連への出向で、ODAを増やすことで世界的にチャンスを作っていくようにしていくべきだ。